ハザードマップを見てみる

出典:「ハザードマップポータルサイト」

東京都のハザードマップ

津波対策や防災を考えるうえで、必ず一度は確認しておきたいのがハザードマップです。
ハザードマップは、地震・津波・洪水などの災害が発生した際、どこまで被害が及ぶ可能性があるかを色分けで示した地図です。
色が濃くなるほど、浸水の危険性が高い区域を示しています。
ピンク・赤系:津波浸水の可能性が高いエリア
黄色系:比較的浅い浸水が想定されるエリア
無色:浸水想定外エリア

津波と洪水・内水氾濫を比べてみると見えてくる「本当の水害リスク」

東京都の津波ハザードマップ
東京都の津波ハザードマップ
東京都の洪水・内水氾濫ハザードマップ
東京都の洪水・内水氾濫ハザードマップ
上の2つのハザードマップは、どちらも東京都を対象にしたものです。
左:東京都の津波ハザードマップ
右:東京都の洪水・内水氾濫ハザードマップ
同じ東京を見ているにもかかわらず、色の広がり方はまったく違って見えるのではないでしょうか。

東京は「津波には強そう」に見える理由

津波ハザードマップを見ると、浸水想定区域は主に東京湾沿岸の一部に限られています。
これは、
・東京湾が外洋に直接面していない
・湾の形状により津波のエネルギーが減衰しやすい
・防潮堤や護岸整備が比較的進んでいる
といった地理的・都市構造的な理由があるためです。
このマップだけを見ると、「東京は津波に対しては意外と安全そう」と感じてしまう人も少なくありません。

洪水・内水氾濫になると一変する東京の姿

一方、洪水・内水氾濫ハザードマップを見ると状況は一変します。
荒川、多摩川、隅田川、中小河川、低地部一帯
これらを中心に、都心部まで広範囲が浸水想定区域として色付けされています。
特に注目すべきなのは、
海から離れた内陸部
高層ビルが立ち並ぶ都市部
普段「水害と無縁」に見える地域
まで、深い浸水が想定されている点です。

なぜ洪水・内水氾濫の方が被害が広がりやすいのか

① 大雨は「どこでも起こる」
津波は発生条件が限られますが、
台風・線状降水帯・ゲリラ豪雨は全国どこでも発生します。
② 都市は水を逃がしにくい
東京のような都市部は、
・アスファルト・コンクリート舗装
・地下空間の発達
・排水能力を超える集中豪雨
によって、水が一気に溜まりやすい構造になっています。
③ 内水氾濫は「静かに、急に」起こる
河川が氾濫しなくても、
・下水が逆流する
・道路が冠水する
・地下施設に水が流れ込む
といった形で、気づいた時には逃げ遅れるケースが多いのが特徴です。

東京以外での大都市圏の水害リスク

名古屋の津波ハザードマップ
名古屋の津波ハザードマップ
名古屋の洪水・内水氾濫ハザードマップ
東京都の洪水・内水氾濫ハザードマップ
大阪の津波ハザードマップ
大阪の津波ハザードマップ
大阪の洪水・内水氾濫ハザードマップ
大阪の洪水・内水氾濫ハザードマップ
東京だけでなく、名古屋や大阪といった他の大都市圏でも同じ傾向が見られます。津波の浸水想定は沿岸部に限られる一方、洪水・内水氾濫では河川沿いや低地を中心に市街地まで広く浸水が想定されています。
水害リスクは海沿いだけの問題ではなく、都市全体の課題と言えます。

津波だけでなく「水害全体」で考える防災が必要

「津波対策はしているから大丈夫」
「海から遠いから安心」
そう思っている地域ほど、
実は洪水・内水氾濫への備えが手薄になりがちです。
実際、近年の被害を見ると、
・命の危険が生じる水深はわずか20〜30cm
・車や人が流される事故は津波以外でも多発
・夜間・地下・屋内での被害が増加
といった傾向がはっきりしています。

ハザードマップは「重ねて見る」ことが大切

今回の比較から分かるのは、津波だけを見ると安全に見える地域でも洪水・内水氾濫を重ねると高リスクになるという現実です。
防災は一つの災害だけを想定するものではありません
・津波
・洪水
・内水氾濫
・高潮
それぞれを重ねて考え、「どんな水害でも命を守れる備え」をしておくことが、これからの防災には欠かせません。
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